フィンテックは、最近使われ始めた言葉だと思われがちですが、1950年代から使われている「Finance」と「Technology」を掛け合わせた言葉です。もともとは、大手ベンダーが作った大手金融機関の金融システムのことをさしていました。

しかし、最近ブームにもなっているフィンテックとは、これまでのそれとは全く異なる意味で使われています。まず、スタートアップが牽引していること。そして、融資、決済、投資などの金融セクターと人工知能、モバイルなどのテクノロジーを組み合わせたサービスであることが現代のフィンテックです。 

PayPalが起源

1998年に創業したアメリカのPayPalをご存知でしょうか?アカウントを持っている個人同士・もしくは法人が、クレジットカードで決済できるというサービスです。当時、ITスタートアップがシリコンバレーでブームになっていた頃で、ebayなどのネットショッピングの企業が生まれ始めていた頃でした。まさに、個人の消費が店舗の売買からネット上での売買に変わり始めていた時代の節目に生まれたのです。

ちなみに、PayPalは現在ではebayに買収されていますが、PaypalのメンバーだったイーロンマスクはスペースXやテスラなどのベンチャー企業を立ち上げました。

「ひと、もの、金」が揃った2008年

ビジネス拡大の三要素というと「ひと、もの、金」と言われています。フィンテック市場が大きく伸びたのも、この3つの要素が揃ったからだと言われています。

1. 人

世界経済が混乱し、低迷する原因になったリーマンショックを覚えている人も多いはずです。リーマンショクの詳しい内容をここでは説明しませんが、多くの人が仕事を失いました。

絶対安定と言われていた銀行マンもその一人です。世界中の人が多くの被害を受けましたが、フィンテック企業にとってはプラスに働きました。仕事を追われた金融業界出身の人たちが、フィンテック企業に流れたのです。これまでテクノロジー分野に強かったフィンテック企業ですが、金融業界の人を会社に迎え入れることで、金融分野の知識を強めることに成功しました。

2.もの

フィンテックを語る上で一番外せないのがスマートフォンの普及です。2007年に発売されたiPhoneですが、日本で発売された当初はガラケーが主流でした。そんなタッチする画面じゃ普及しないよと言われいましたが、気がついたら一人一台持つ時代が来ていました。

この爆発的な普及が、一人ひとりがインターネットにつながる時代の幕開けだったのです。フィンテックのサービスの多くは、アプリを介しておこないます。スマートフォンの普及がなければ、フィンテックの時代は来ていなかったと言えるでしょう。

3. 金

2008年以降、フィンテックの可能性が囁かれ始めると投資が過熱していきました。2017年は過熱してきた投資もひと段落し、投資機関からの投資は減少に転じています。ブームが覚めたというわけではなく、銀行が直接サポートするようになっていきているもの一つの理由です。

日本におけるフィンテックの動き

フィンテックは、スタートアップが中心となり既存の金融システムを破壊し・再構築するところに、投資家が魅力を感じてお金を出しているだけですが、日本ではまだまだ浸透しているとは言えない状況です。

現在に至るまで大企業が金融とテクノロジーを合わせたサービスを展開してはいましたが、スタートアップに絞って言えば2008年創業のmaneoが先駆けと言えるでしょう。個人投資家と中小企業をつなげるサービスで、徐々に浸透をしてきています。それから2012年に会計サービスであるmoneyforwadやfreeeが創業しています。

このように日本でのフィンテックは徐々に盛り上がりを見せてはいますが、世界規模で見ればまだまだ破壊と構築が進んではいません。

その原因となっているのは、日本の現金第一主義でしょう。お年玉やお賽銭など日本人は現金を主に使用しています。Suicaやクレジットカードなどの電子決済も増えつつありますが、お財布を持たずに買い物に行く人はいないはずです。

また、そもそも家を建てる際には低金利で誰でも融資を受けられることも見逃してはいけません。海外では、融資を受ける際には、今までの取引状況がわかる情報を提供しなければいけません。今まではクレジットカードの利用履歴がそれにあたりました。多くの金額を利用し、予定どおり支払いをする。これを繰り返して行くことで、個人の信用が高まりお金がかりやすくなります。しかし、日本では誰でもお金をかりられる環境があり、あまり必要とされていないのです。

このように、海外と日本では環境が異なるためフィンテックが広がりにくいのです。