イギリスのロンドンはフィンテックの中心地でもあります。そこで2011年に生まれたのが、イギリス版「Square」であるSumUp。創業者は、Daniel Klein。
このスタートアップは、ロンドンでビジネスを始め、モバイル決済に革命を起こしてきました。特に、スモールビジネスを生業とするお店を中心に。ヨーロッパでは、スウェーデンのフィンテックサービス「iZettle」がライバルになります。
ここではサービスの詳細・特徴からSumUpのサービスの仕組みまで、詳しくご紹介したいと思います。
ロンドン生まれのフィンテックサービス「SumUp(サムアップ)」とは?
日本でモバイル決済というと、SuicaやPasmoといった電子マネーを想像しますが、ここでいうモバイル決済サービスはそれとは異なります。
SumUpが提供するサービスは、一声で言えば、クレジットカード決済を便利にしたサービス。アメリカのスタートアップに「Square」がありますが、それと同じようなサービスです。
世の中には、まだまだクレジットカードに対応していないお店が数多くあります。私たち消費者は、そのようなお店に行って初めてクレジットカードが使えないことがわかります。これって、すごく不便ですよね。
このような状況はお店も、もちろん把握していますが、クレジットカードを決済できる端末はとってもお高いのです。だから導入したくてもできないというジレンマがありました。それを手元のスマホやタブレットと連動できる小さな端末を開発したのが、このSumUpです。
現在では30近い国で利用されており、グローバルな展開に成功しています。
どんなサービスを展開している?
主に3つのサービスがあります。
1. 決済端末の貸し出し
1つは、決済端末の貸し出し。これはNFCやICチップに対応しているので、クレジットカードや電子マネーでの支払いを受け付けることができます。対応しているカードは、Visa、MasterCard、American Express、Discover、Moestro、Apple Pay、Google Pay。主要どころは全て抑えているので、全世界で使われているのでしょう。
クレカでの決済が完了したら、SumUpから1〜2日以内に現金が口座に振り込まれます。通常のクレカだともっと時間がかかるのでお店側のキャッシュフローが厳しくなってしまうのですが、1〜2日後の振り込みなので、そりゃ…こっちの方がいいですよね。
2. iPadを使ったオールインワンのPOSシステム
そして2つめはリクルートが提供しているAirレジと同じようなサービス。レジのオールインワンで、iPadと決済端末、レシートプリンターなどが1つになっています。POSは非常に金額も高く、クレジットカード決済機能もつけるとなると、小さなお店で導入するのはなかなか難しいところ。
でも、このサービスなら、少ない投資金額で、最高の決済端末を手に入れられるわけです。さらに、決済データが全て残るので、在庫管理や売上管理など、バックヤードの雑務を全てこれ1台で可能。個人店からすれば、導入しない理由はないでしょう。
3. オンラインでのAPIの提供
3つ目はAPIでのサービス提供です。これは、オンライン決済向け。ブラウザやアプリにSumUpのシステムを導入することで、簡単にカートを追加できます。
決済端末の料金は?
決済端末は29ドル
端末代はかかります!この小さな端末は、1つ29USドル。申し込みはネットから。必要項目を入力するだけなので、5ふんで終わります。
サービス利用料は無料
サービス利用料は無料!毎月定額を払う必要がないということは、この端末を1年使わなくても費用が発生しないということ。これはスモールビジネスの観点から見ると、非常にありがたいですね。全く使っていないのに、必要を払うなんて耐えられませんよね。まるでNetflixを契約しているのに、全く見ていないのと同じになってしまいますから。
1決済2.65%の利用料
その代わり、1決済ごとに2.65%の利用料が発生します。1万円の支払いだった場合、お店側が265円を手数料として、SumUpに支払うこととなります。これは、安いほうですね。
世界展開する時のライバルは?
日本のサービスがライバルと言いたいところですが、日本のスタートアップで対応できるところはありません。ヨーロッパで見ると、iZettleがいいライバルですね。2018年にPaypalに買収され、同じようなサービスを展開しています。アメリカだとSquareですね。クレカのモバイル決済は、どこが市場を取るのか楽しみです。